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7月度のお知らせ
- 2018/07/01
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拝啓
日ごとに暑さ厳しくなるこの時節、いかがお過ごしでしょうか。
さて、先日、大手教育出版社が主催する教育セミナーに行ってまいりましたが、そこで2020年度から実施される小学校・中学校の学習指導要領の改訂がいかなるものかレクチャーを受けてきました。
皆様もご存じだと思われますが、20年度から小中において学習指導要領が大幅に改訂され、その移行措置は今年度からすでに始まっております。
その内容を簡潔に要約するならば「小学校高学年から中学校にかけて全ての教科の学習課程の前倒しと学習内容の大幅な増加」です。
小学校の英語はすでに高学年において実験的に始まっていますが、それが20年度からは正式な学習教科として中学年からは週1回、高学年からは週2回に増え、成績評価の対象になります。
それ以外の数学、国語、理科、社会などの教科においても、それまで高校で習う内容が中学校に、中学校で習う内容が小学校高学年に一部前倒しされ、これまで小学校や中学校では習わなかったようなことを新しく学習するようになります。
また、これらに加えて20年度からは小学校からプログラミング教育が導入されます。
2011年度に小学校の学習指導要領が全面改訂され、小学校での英語教育の開始や算数や理科などの学習内容が大幅に増加しましたが、今回はそこからさらに踏み込んだ改訂となりそうです。
これは何を意味するかというと、文部科学省、つまり日本という国が「グローバル化する世界やIT化が進む社会において活躍できる人材を一人でも多く輩出するため、子供は小学校のできるだけ早い時期からしっかり勉強させましょう。さもないと中学校に上がる前の段階からふるいにかけて将来この国を担うエリート層とそうでない層に容赦なく選別しますよ」と大々的に宣言しているようなものです。
最近、同志社や立命館などの有名私大が相次いで付属小学校を開校させましたが、これもこうした文科省の大号令に応えたものと思われますし、10年後、20年後には東京、大阪、京都などの大都市圏において、今の中学受験に取って代わって「小学受験」が過熱化するようになるかもしれません、いや、恐らくそうなっていくでしょう。
また同じ20年度には周知のように大学入試改革が行われ、これまでのセンター試験に代わる全く新しい形式の「大学入学共通テスト」が実施されます。
ではこうした状況の中で、将来を生きるお子さんをどう教育すればよいのでしょうか。
それにはまず、学校の教師や塾の講師のみならず、親御さんもこれからの日本の教育政策がどうなっていくのか、そしてこれからの社会、特に大学や企業がどういう人材を求めているのかなどを、常日頃からマスコミやインターネット、書籍などを通じて情報や知識を集めておく必要があると思います。
子供の教育もある意味一種の「社会的行為」である以上(むしろこれほど社会的重要性のある行為は他にないかもしれません)、10年後、20年後の日本や世界がどう変化していくか、そしてその中で生き残っていくためには、単に学校の成績のみならず、どういう能力を子供に身につけさせればよいか、そうした先見性やビジョン、社会観や世界観などを持ってお子さんの教育に当たる必要性が今後ますます重要になってくるでしょう。
では長文失礼いたしました。
敬具
蛍雪塾
船木智之